奇跡の人
The miracle worker
INTRODUCTIONはじめに
二人の闘いは、がむしゃらで、愛に溢れ、そしていつしか奇跡を起こす―
家庭教師アニー・サリヴァンと三重苦の少女ヘレン・ケラーを題材にした『奇跡の人』。各国で翻訳されたこの戯曲は、世界中で上演され、60年経った現在も観客を感動の渦に巻き込んでいる。
“奇跡の人”アニー・サリヴァン と ヘレン・ケラー。互いに越えがたい壁を抱えた二人の女性。
何年も耐え忍び、いつしか関わり方を見失ったヘレンの家族。
本当の愛とは、生きるとは、知るとは、学ぶとは。
其々が闘い、傷つき、向き合おうとする物語。
高畑充希はヘレン・ケラー役での出演を含め今回で4度目の出演。『奇跡の人』は正に彼女のライフワークとなっている。
今回ヘレン・ケラー役を演じる平 祐奈は、若手ながら映画やドラマ、バラエティに数多く出演しているが、舞台は今回が初出演。「見えない、聞こえない、喋れない」三重苦という難役に挑む。
他キャストにも池田成志、村川絵梨、井上祐貴、山野 海、森山大輔、佐藤 誓、増子倭文江等、ベテランから若手迄幅広く、演出:森 新太郎の下集結し、魂と魂のぶつかり合いを魅せる!
INTERVIEW 高畑充希さんインタビュー
不朽の名作「奇跡の人」の舞台の上演が決定しました。三重苦のヘレン・ケラーとサリヴァン先生の感動のストーリーを生で体感できます。
過去にヘレン・ケラー役を2回、アニー・サリヴァン役で1回出演している俳優の高畑充希さんに、今回アニー・サリヴァン役を演じる意気込みや本作の見どころを伺いました。
今回の舞台にかける意気込みをお聞かせください。
この「奇跡の人」という作品に足かけ13年も関わらせていただいているんだなと感慨深いです。最初にヘレン・ケラー役をやらせてもらった時は、それまでヘレン役をやることが夢だったので、楽しくて夢中で演じていました。サリヴァン役となるとセリフのおもしろさを感じましたね。前回サリヴァン役を演じた時は演出家の方と公演最終日まで試行錯誤しながらサリヴァン役を突き詰めたつもりです。今回またサリヴァン役を続投することになった時に、前回突き詰めたと思っていましたが、また新しいサリヴァンが出てくるんだろうなと楽しみです。
舞台は自分を思いっきり表現できるところが魅力です。舞台に一歩出てしまえば最後まで集中が途切れることはありません。上演中はとことん集中して定時に終わるので、メリハリがあるのもいいですね。舞台はお客様が入って完成するので、その日のお客様によって演目がいろんな方向に派生していくので毎日ワクワクします。
サリヴァン役をやるにあたって準備していることはありますか。
前回サリヴァン役をやらせてもらったのが3年前。そのときの記憶も残っていますが、そこにとらわれすぎずにフレッシュな気持ちでやっていきたいです。体には前回のサリヴァンがうっすらと刻まれていると思うので、そこに今回の新たな発見をプラスしていく感じでしょうか。稽古をする中で今回のサリヴァンを創り上げて行くので、稽古に入るまではあまりイメージを固めないようにしています。
ヘレン・ケラーを演じるのが夢だったというお話がありましたが、いつ頃から本作が好きでしたか。
小学生の頃に3回は観ていて、大好きな作品です。3年おきくらいに再演されているのを毎回観ていましたね。最初に観た時にもうヘレン・ケラーをやりたいと思いました。まだ俳優でもないし、俳優になろうとも思っていないのに漠然と思っていました(笑)。17歳で最初にヘレン・ケラー役をやったときは夢が叶った瞬間ですね。観る側から出演する側になりましたが、観ていても素晴らしいし、実際に演じる側になっても素晴らしい作品です。
観ている時はヘレン・ケラーとサリヴァン先生の“肉弾戦”のような全力のぶつかり合いに心が震えました。平手打ちのシーンがあるんですけど、手を抜かないし、抜けないんですよね。お芝居でこんなに本気の殴り合いがあるんだと衝撃でしたね。
演じる側になって、セリフひとつにこんなに意味を含ませているんだと知りました。小学生で観ていた時はヘレンの家族のことまで考えてみたりはしていませんでした。今はヘレンの家族の立場から作品を見たりして感動するポイントが変わっています。何回触れても新しい発見がありますね。
観に来てくださるお客様にメッセージをお願いします。
新型コロナウイルスの影響で、舞台に足を運ぶことが当たり前ではない状況になってしまいましたが、そんな状況の中だからこそ劇場に観に来て欲しい作品です。この作品のすごいところは、どの世代の方が観てもぐっとくるものがあるところだと思います。必ずやいいものを持って帰っていただけるよう、今回も必死で取り組んでいきたいと思います。