2019年4月から9月に5都市で上演されるミュージカル『レ・ミゼラブル』の制作発表記者会見が、1月23日(水)都内で行われ、キャスト総勢72名が登壇した。新キャストを中心とした迫力の歌唱披露もされ大いに盛り上げました。
<出演者挨拶>
福井晶一
ジャン・バルジャン役を演じさせていただきます福井晶一です。まずはこの場にいれることを本当に嬉しく思います。今回も本当に素晴らしいキャストが集まって、初めての方もいますし、どんな化学反応が起こるのか楽しみにしています。今回の公演は帝国劇場から始まりまして、最後は僕の地元でもある北海道の札幌公演が控えております。北海道民としては本当に嬉しく思うことで、北海道の皆様にもこの作品の魅力を届けられると思うと今からワクワクしています。精一杯役と向き合って、精進して参りますので、どうぞ宜しくお願いします。
吉原光夫
ジャン・バルジャン役をやらせていただきます吉原光夫です。やっぱりすごいですね、この緊張感は。他にはないものがあるなと思っていて、自分の中でも向き合って、精進して、そして楽しみながら自分を高めていく作品なのかな、ここに立っていることで何かまたスタートするのかなと思います。
出演者の中に先輩方がいらっしゃるので、まだ若手だと思ってしまうんですね。でも、僕と子供のころに共演した熊谷彩春ちゃんや、海宝直人さんといま同じステージで共演するってことは自分歳くったなと思って(笑)。そこを認識し、このジャン・バルジャンという役とどう向き合っていくのか、どういうジャン・バルジャンを自分は表現できるのかということを楽しみつつ、ちょっと恐いですけど頑張りたいと思いますので応援よろしくお願いします。
佐藤隆紀
ジャン・バルジャン役の佐藤隆紀です。この伝統あるミュージカル『レ・ミゼラブル』に出演させていただけることを本当に嬉しく、そして光栄に思っております。このジャン・バルジャンという役をやるにはまだまだ精神面も技術の面も足りない部分があると感じているので、皆様にステージをお届けするまでには日々精進して、良いステージをお届けできるようにしていきたいと思います。
川口竜也
ジャベール役の川口竜也です。またこの舞台に立たせていただけたことに対する感謝を述べたいと思います、ありがとうございます。この苦しくも楽しい世界に入っていくんだなと思うと覚悟しなければいけないなと思っているところです。2013年に選んでいただいてから、ずっと一つの目標がありまして。それはこの2019年まで出来ればやらせていただきたい、それは僕が今年52歳になるんですけれども、原作のジャベールが死ぬ年、自殺をする年なんです。その年まで自分がやらせていただけたなら、そこで自分がどんなジャベールを生きられるのかということをすごく楽しみにしていました。なので、自分と向き合いながら、精一杯演じていきたいと思います。
上原理生
この度よりジャベール役を務めさせていただきます上原理生です。デビューさせていただいた『レ・ミゼラブル』でアンジョルラスという役をずっと演じさせていただきましたが、今回はそれと正反対のジャベールという男を演じることになりまして、全く違う『レ・ミゼラブル』の景色が見れるのかなと今から少しワクワクしております。真摯に、誠実に向き合っていきたいと思います。
伊礼彼方
ジャベール役の伊礼彼方です。ここ1週間、寝るまでずっと『スターズ』の歌詞がリフレインし、朝も『スターズ』で起きる毎日でした。(歌唱披露が終わって)やっと静かに寝られることを嬉しく思います。自分で望んでオーディションを受けたこの役なんですけど、いざ歌ってみるととても重たいものがあって、先輩たちが30年築き上げた歴史に僕も新たな息吹を吹かせたいなと思っております。そして今まで応援して下さった方々に少しでも成長した姿を見せられたらいいなと思っております。
知念里奈
ファンテーヌ役をやらせていただきます知念里奈です。気がついたら長くこの作品に関わらせていただいていますが、毎回やる度にその時々で違うことを感じたり、学びや発見がある、本当に素晴らしい作品です。今回もまた、今の私が感じられるベストを尽くしてファンテーヌを探していけたらいいなと思います。
濱田めぐみ
ファンテーヌ役を演じさせていただきます濱田めぐみです。皆さんのコメントを聞きながら凄く緊張していたんですけれども、喜びと嬉しさとワクワク感が出てきてしまって、笑顔で皆さんのコメントを聞いていました。誠心誠意、心からこの作品を愛し、そしてファンテーヌという女性を愛し、一生懸命努めたいと思います。
二宮 愛
ファンテーヌ役を務めさせていただきます二宮愛です。2017年に続き今回も『レ・ミゼラブル』というこの素晴らしい作品に携われることを、本当に心から嬉しく思っております。2回目ということもありますので、前回の経験を踏まえて、もっとファンテーヌという役を愛していけたらいいなと思っております。
唯月ふうか
エポニーヌ役を演じさせていただきます唯月ふうかです。今回は2度目の挑戦ということでもっとエポニーヌという一人の女性と向き合って、深く掘り下げて、しっかりお客様に届けられるように演じたいと思います。そして今回は自分の地元の札幌で公演ができるので特別な想いもあります。精一杯演じさせていただきます、宜しくお願いします。
屋比久知奈
エポニーヌ役を務めさせていただきます屋比久知奈です。この作品の一員になれることを心から嬉しく幸せで光栄に思っております。全身全霊をかけてエポニーヌという役と向き合って『レ・ミゼラブル』という作品の中で生きたいと思います。
海宝直人
マリウス役を演じさせて頂きます海宝直人です。僕は2015年から3度目の出演になるんですけど、初心に立ち返って新鮮な気持ちで、作品・楽譜・台本に向き合って、また新たなマリウスを作っていけたらなと思っています。
内藤大希
マリウス役の内藤大希です。2017年に続きこうして演じられることをとても嬉しく思っております。前回よりもパワーアップした姿をお見せできるよう頑張りたいと思います。
三浦宏規
マリウス役をやらせていただきます三浦宏規です。今回初めての参加になります。本当にずっと夢見ていた作品で、今こうして自分がこの場に立っていることが本当に嬉しくて夢のようです。まだまだ未熟なところはありますが、いま自分に出来ることはすべてマリウスに注いで、『レ・ミゼラブル』の中のマリウスとしてその時代に生きていきたいと思います。
生田絵梨花
コゼット役を演じさせていただきます生田絵梨花です。前回コゼットを演じてから2年近く経って、自分自身も変わったなと思うところがあるので、もう一度向き合った時にどんな景色に見えるのか、今からとても楽しみです。新しいキャストの皆さんとも一丸となって頑張りたいと思います。
小南満佑子
コゼット役を務めさせていただきます小南満佑子です。私は2度目の挑戦となるのですが、作品とコゼットをもっともっと愛して、真摯に取り組んで参りたいと思います。
熊谷彩春
この度コゼット役を務めさせていただきます熊谷彩春と申します。小さい頃から憧れていた『レ・ミゼラブル』という作品に参加させていただけることを、今この場に立たせていただいて、あらためて本当に光栄に思っております。開幕まで残り3か月を切りましたので、精一杯コゼットと向き合って頑張りたいと思います。
駒田 一
テナルディエ役の駒田一です。皆さんお気づきのように、なぜか僕の座る位置がマリウス寄りということで、ついに東宝さんも決断したか、と(会場笑)。そんなことはないと思いますが、16年目にして、また新たな気分でやれるような気がしております。新しいメンバーも入りましたし、みんなで力を合わせて良い作品に出来たらなと思います。
橋本じゅん
テナルディエ役に再度挑戦させていただきます橋本じゅんです。前回は東京公演だけの参加で入口のドアを開けたら終わった、というような感じでした。自分の中では、最後までみんなとこの作品をやり遂げて、その一年の幕を下ろすということが目標でした。今回それを果たすことができますので、最後の最後までみんなの一員として精一杯努めたいと思います。
KENTARO
テナルディエ役のKENTAROです。またこの場に立たせて頂くことを本当に誇りに思い、嬉しい思いで一杯です。中でもこのテナルディエは、1人増えまして4人になりますけど、本当に大好きな方達ばかりで共演できないのが凄く残念という、同じ役をやっている以上同じ舞台に立てることが無いので。先程、連絡先だけは交換させていただいたので(会場笑)、仲良くやっていこうと思います。
斎藤 司
テナルディエ役のKENTA…あ、斎藤司です。先程初めて皆さんの前で歌わせていただいて、本当に今まで生きてきた中で一番っていうくらい喉の調子が悪かったので(会場笑)、本番は最高のものをお見せすべく、みっちりと稽古をして、さらに素晴らしいものをお見せできるように、謙虚に頑張らせていただきます。
森公美子
マダム・テナルディエ役の森公美子でございます。22年間もやらせていただいて、多分今年が最後になるんじゃないかな、ってちょっと思ったら涙が出てきたりして。オーディションがあるので、それに受かる自信が年と共にどんどん無くなってくるんですね。これが最後かなと思いながらも、もしオーディションに受かって、また次の年にいたらごめんなさい(会場笑)。ですけどこれが最後だと思いながら舞台を務めさせていただきたいと思っております。
鈴木ほのか
マダム・テナルディエ役の鈴木ほのかです。(森)公美子さんは終わりと言わず一生やってください(会場笑)。初演でコゼットを演じ、10周年からはファンテーヌ、そして一昨年からはマダム・テナルディエをやらせていただいています。一昨年の30周年記念パーティーで本当にたくさんの歴代スタッフ・キャストの方がいらっしゃって、その人たちの汗と涙で今の“レミゼ”があるんだとまた再確認しました。今年は元号が変わりますし、昭和でコゼット、平成でファンテーヌ、そして新元号でマダム・テナルディエとますます頑張って参ります。
朴 璐美
マダム・テナルディエをやらせていただきます朴璐美です。47歳にして初ミュージカルに挑戦、しかもこんな大きな作品『レ・ミゼラブル』ということで、本当に身が引き締まる思いです。ハートフルにマダム・テナルディエを演じさせていただけたらと思いますので、どうぞ皆さん応援宜しくお願いします。
相葉裕樹
アンジョルラス役をやらせていただきます相葉裕樹です。また『レ・ミゼラブル』の世界に戻ってくることができ、本当に感謝しています。二度目という事でさらに深く掘り下げて演じられるよう、精進していきたいと思います。
小野田龍之介
アンジョルラス役の小野田龍之介です。この度初めて『レ・ミゼラブル』に出演させていただき、大変嬉しく思っております。この作品はミュージカルを続ける中で非常に大きな影響を受けた作品の一つです。この作品の一部になれること、誇りをもって丁寧に演じて参りたいと思います。
<質疑応答>
――(森公美子さんへ)この『レ・ミゼラブル』に長く出演してこられて、今回いらっしゃるキャストの皆様の中では一番の経験値をお持ちなのではないかなと思うんですが。
森公美子:はい、年齢も一番上です(笑)
そんなモリクミさんから、今回新たに参加されるキャストの方々に稽古に臨む姿勢ですとか、長期の公演を乗り切るための、モリクミさんならではのアドバイスをいただけませんか。特に隣に座ってらっしゃる斎藤さんにもお願い致します。
森公美子
斎藤さん、意外とこの公演は真面目にやらないといけません(会場笑)。この作品は演出陣がイギリスから皆さんいらっしゃるので、直接日本語は通じませんし、ですからコミュニケーション能力はおありになると思いますが、なるべくですね、思ったことをやられるよりは言われたことをやる、その方が長く生きていく上では大切だと思っております(会場笑)。ただ、キャストだけで85人もいますと大変なのが差し入れでございまして(笑)、85人プラス演出部とかイギリスからいらっしゃる方たちの分も考えるとおよそ120人分を用意しなければいけないというのが…、私今回ちょっと勘定しまして、今回は差し入れをやめようと思っております(会場笑)。あと、全編を通して作品が音楽で出来ているので、音楽は音符を大切に歌う、音符は絶対に外してはいけません。皆さん分かりましたか?(会場笑)。
――(生田絵梨花さんへ)最近写真集を発売されて、その撮影でニューヨークのブロードウェイへ行かれたと伺いましたが、ミュージカルの本場に行かれてみて感じた事とか心境の変化などありますか?そしてそれを今回の出演に活かすことはできそうでしょうか。
生田絵梨花
本場のブロードウェイを見て刺激を受けたものももちろんありますし、一週間撮影で生活して、自分でも見たことない色んな表情を写真集の中で組ませていただくことが出来ました。前回コゼットを演じたときに、笑うことにすごく精一杯になっていたんですけど、演出家の方から「笑顔は一通りだけじゃないし色んな段階があるから、そこを自分の経験からもっと出していったほうがいい」というアドバイスを受けたので、今回のコゼットでは表情が増えたらいいなと思っています。
――(濱田めぐみさんへ)『レ・ミゼラブル』に初参加で、濱田さんがファンテーヌをやられるのが意外といいますか…、ミュージカルファンとしては待っていました!といいますか、そんな声も多数届いているかと思います。いよいよ今日の制作発表から2019年版『レ・ミゼラブル』が始動すると思うんですが、今の心境を聞かせて頂けますか。
濱田めぐみ
今までは客席で舞台を拝見させていただいて、お客様と一緒に盛り上がるだけだったので、舞台上で自分がファンテーヌとして生きるというのは想像の中でしかなかったんですけど、皆様の意気込みを聞いていると、何回も経験されている方や初めての方の気持ちがだんだん一つになっていって、またこの会場にいらしている皆様方の気持ちも一つになって今回の『レ・ミゼラブル』というのは立ち上がっていくんだなっていうのを感じています。喜びプラスまた新たな『レ・ミゼラブル』、そして色んな化学変化が舞台上で起きるんじゃないかなと思って、それを経験できるというのが凄く楽しみでもありますし、今まで自分が経験させていただいた色んな役の中でもファンテーヌの中で活きていける要素が沢山あると思うので、それがうまく融合できていけたらなと思っています。
――(札幌出身者を代表して福井晶一さん、キャストを代表して森公美子さんへ)
今回の北海道公演は29年ぶりになります。さらに会場が昨年10月にオープンしました札幌文化芸術劇場hitaruになるわけで、そちらでは初のミュージカル公演になります。市民の注目も集まり期待も高まっています。札幌で公演されるお気持ちをお聞かせいただけますでしょうか。
福井晶一
札幌で上演されるのは29年ぶりということで本当に嬉しく思っています。僕自身も札幌で昔舞台を見て、そこでミュージカルの世界に飛び込みたいと思って今ここにいるわけですから、北海道でミュージカルという文化が浸透したらいいなというところに、この『レ・ミゼラブル』の札幌公演という嬉しいニュースが入ってきました。地元民としては心して演じたいと思っています。あと昨年は全国各地でたくさん大きな災害があって、北海道でも大きな地震がありましたけど、そのちょうど一年後の9月に札幌公演があるので、色んな想いと祈りを込めて演じたいと思っています。
森公美子
昨年は災害など色々あったので、札幌の皆さんにこの作品を通じて元気と立ち向かう勇気を届けられたらいいなと思っています。あと札幌というか北海道は本当に美味しいんですよ、ちょうど9月は毛ガニが…(会場笑)とか色々なことを考えると何日滞在するのか…二週間くらいでしたかね、ですから私はちょっと延ばして北海道をぐるぐる回ってこようと思っております。美味しいものは全て道内にあると信じておりますので、是非美味しいものをたくさん食べて衣裳さんを困らせたいと思います(笑)。
――先程素晴らしい歌を聞かせてくださった伊礼彼方さん、小野田龍之介さん、斎藤司さん、朴璐美さん
歌われてみてのご感想をお願いしたいのと、これからお歌を聞かせていただける、佐藤隆紀さん、三浦宏規さん、屋比久知奈さんには今のお気持ちをお聞かせください。
伊礼彼方
初めて人前で披露させていただいたんですけど、やはり心臓が喉から出るような気持ちで、思った以上にこの責任ある作品に出演させていただけるんだなというのを実感しております。そして先程の北海道の話じゃないですけれども、いつか沖縄公演もできたら僕は嬉しいななんて思っております。皆さんで沖縄にも行きましょうよというのが僕の想いなので、いつか、ね。是非とも叶えていただければと思っております。
小野田龍之介
初めて皆様の前で歌わせていただいて、出演が決まってから今日まで、「ああ、ついに『レ・ミゼラブル』に出演するんだな」という実感が改めて湧いたといいますか、非常に光栄な時間でした。また改めて一つずつ、言葉や音符、すべてに向き合って丁寧にもっと深めていきたいなと思った時間でした。
斎藤 司
本当にさっきは緊張して恥ずかしいところを見せてしまったんですが…。本番は最高の状態を毎日合わせられるように…、ちゃんと、しっかり歌いますので怒らないでください、本当に(会場笑)。とにかく緊張して、諸先輩方のお話とか歌を聞かせていただいて、自分を磨きながらやらせていただきますので、待っていていただければ嬉しいです。
朴 璐美
本当に緊張しまくってしまって…。数日前の稽古の時にも、先生に泣きついてしまったくらい緊張したんですけど、でもやるしかないので、とにかくやろうと心を新たに思いました。以上です。もうごめんなさい、頑張ります!(会場笑)
佐藤隆紀
本当に緊張しているということしかないんですけど…。前回(吉原)光夫さんにお話しを聞かせてもらった時に、『すごく精神力が大事な役だ』というお話をされていて、最初のプロローグの部分をガーッて歌っていく、その精神力を持たないといけないところですが、今日はそこを緊張せずに、まずは最初の精神力を試す機会だと思って今日は頑張りたいと思います。皆さま、どうぞ優しい気持ちで宜しくお願いいたします。
三浦宏規
普段はあまり緊張するタイプじゃないんですけれども、今回は人生で経験したことがないくらいの緊張感を…、今もヤバいんですけど(笑)。でもそれと同時にちょっと楽しみな部分もあります。今ここで自分が思ったことを表現して、それが稽古を経て本番に入ってまたどう変わっていくのかという、ここがひとつ自分のスタートになるのかなっという気持ちではあるので、今自分が思うマリウス像をしっかりと歌を通して伝えていけたらなと思います。
屋比久知奈
本当に緊張しているんですけど、でも今出来る精一杯で表現して、ここから本番へ向けて、より成長していくぞという決意を込めて精一杯歌わせていただきたいと思います。
――(福井晶一さん、吉原光夫さん、佐藤隆紀さんへ)
『レ・ミゼラブル』という物語はフランス革命後の動乱の時代を生きた民衆の話であると同時に、ジャン・バルジャンという一人の男の人生の物語でもありますが、ジャン・バルジャン役を演じられる際に大切にされていること、また大切にしたいと思われていることをお聞かせください。
また、カンパニーを代表してお三方にこの『レ・ミゼラブル』という作品がこれほどまでに深く愛され、支持をされているその理由、皆さんが感じていることをお聞かせください。
佐藤隆紀
まだ本当に勉強して日が浅いんですけれども、僕なりに今大事にしたいと思っているのは、良心との間での心の揺れ動きや苦しみの部分、人間がもっているものをしっかりとちゃんと伝わるような演じ方をしたいなと思っています。あと『レ・ミゼラブル』が愛される理由というのは、やはり主題がたくさんあると思うんです。皆さんがそれぞれに感じる部分、祈りの気持ちや人が変わってゆく姿とかを観た時に、自分も変われると感じられるところもある、とてつもない凄いパワーを感じられる作品なので、だから愛されてきたんじゃないかなと、今はそう考えております。
吉原光夫
2011年からジャン・バルジャンをやらせていただいていて、その時から「普通の人」ということを大事にしようと思っています。(僕は)見た目は大きくて顔もいかついので普通の人っぽくないんですけど…。ジャン・バルジャンというか『レ・ミゼラブル』という小説は、小説の題名にも『正しい人』ってあるんですけれど、苦しい人生の中で正しくなろうとして最後まで葛藤して『これでいいのか、どうして、なぜ』と自問しながら葛藤しながら生き抜いてきた普通の男性なんじゃないのかなと思うので、だからこそこの作品がずっと愛されていて、人々の心に届いていくんじゃないのかと思います。僕にはあんまり白い部分というか美しい部分というのはないので、当然人間が持つ黒や白とかグレーの部分というものを離さないように、ジャン・バルジャンを演じようといつも思っています。この作品がなぜ愛されるのかというのは、この世に貧困や飢えや苦しいものがある限りはずっと人々に読み続けられるだろうと思っています。日本は豊かで贅沢と言われますが、(この世にある貧困や飢えや苦しいものとか)そういう思いをしている人が劇場に来たり、本を取ってみた瞬間に、明日を生きるエネルギーになるんじゃないかというのと、そういう人が最後には神様のそばにいるということが、愛するということを知る、人間としてシンプルなものが書いてある本であり、長い間旅するということが人生なのでは、人生が書いてあるからなんじゃないかと思っています。
福井晶一
ほとんどお二人が喋ってくれているとは思うんですけれど、ジャン・バルジャンという人物が聖人のように捉えられているところがありますけど、僕は弱さの部分からフォーカスを充ててチャレンジしていきたいなと思います。先程(吉原)光夫が言ったように、本当に普通の人間だと思うんですね。愛を知らなかった人間が、愛を与えられて、そして自分が愛を与えていく、そういうプロセスを大切したいと思います。そしてその中でずっと迷いながら自分自身が名前を偽って生きていくわけですけど、それは本当に正しいことなのか、そういうことを自問自答しながらも生き抜いていく、そういう姿に共感されると思うので、そういう部分をしっかりと大切に演じたいと思います。そしてこの作品が愛される理由ですけど、やっぱりひとつに音楽の力、これはもう圧倒的な力があると思います。そしてそこに魅力的な様々なキャラクターが登場して、幅広い世代の方がその生きてきた中のその時々の見方でまた違ったキャラクターに感情移入できますし、さらに本当に色んな愛の形が描かれている。そこにたくさんの方が、これだけ30年続いているということは共感できる作品なんじゃないかなと思っております。
▼歌唱披露①、伊礼彼方さんによる♪「スターズ」からスタート
▼歌唱披露②、小野田龍之介さん&アンサンブルキャストによる♪「ABCカフェ〜民衆の歌」
▼歌唱披露③、斎藤司さん&朴璐美さん&アンサンブルキャストによる♪「宿屋の主人の歌」